これからの太陽光発電

これからの太陽光発電に必要なもの、それは何より第一に低コスト化です。現状ではまだ太陽光発電は導入時の補助金と、電気の全量買取制度によって普及促進を図っている状態です。本来であればそれらに頼ることなく採算が合うシステムでなければならないはずです。
主力の発電システムとして認められるためには、現在の主流である火力発電と比較しても、今後同レベルまで発電コストを下げる必要があります。
低コスト化のためには、高効率な発電用素材の開発と、低価格な発電用素材の開発という一見相反する目的を同時に達成させなければなりません。現在の主力素材であるシリコンに代わる、高効率で低価格な発電用素材は多方向から開発中であり、中には注目すべき素材も生まれています。
一例を挙げると、超高効率が期待される量子ドット太陽電池や、低コストで応用範囲が大変に広い有機系太陽電池などが、一部実用段階まで来ています。
他にも物の表面に印刷して作れる太陽電池や、窓ガラスにも使えるシースルーの太陽電池など、今まで思いつかなかったシーンで太陽光発電にお目に掛かるチャンスが出て来るでしょう。
更に社会全体に太陽光発電を広めるためには、電力供給の不安定さを解消する必要があります。それには高効率な蓄電システムの開発を含めた、スマートグリッドの構築が不可欠です。スマートグリッドとは、最新のＩＴ技術を使って送電網全体の需給バランスの最適化を図るシステムです。
こうした技術面での進歩と新しい社会基盤の構築によって、太陽光発電は特別な存在ではなく、ごく一般的な発電方法の１つとして広く受け入れられてゆくことでしょう。